2009年11月1日日曜日

婚約します!という時は

西岸地区ジェラゾン難民キャンプの友達ムシーラが
婚約した2007年6月のこと。



「婚約式するから、来てね!」と言われ、
カメラ持参で並木は隣村ジェラゾンを訪問しました。



そもそも男女関係というものは、
パレスチナ的慣習と日本でずいぶん異なっていると
私は思います。



日本では例えば、

並木がペッペを学食で逆ナン

家に転がり込んで事実上の同棲を始める

相手が真面目だったため、両親にも挨拶

公然と同棲、婚約状態
というプロセスを取ってもOKな家庭もアリですが、



ムシーラが説明してくれることには、
パレスチナではこんな感じ。



「まず、両親が『そろそろ結婚しなきゃ』って言うでしょ。  
そしたらツテを辿って、
 
良さそうな男性を両親が見つけてくるの。

 
それから実際に家族ぐるみで会ってみて、
 
金銭的にも性格的にも良さそうだったらまず婚約よ。
 
婚約式では盛大なパーティーをして、女の子は金の装飾具をもらうの。
 
それから、デートを始めるのよね。
 
どれだけ通ってくれるか、私の両親に対しての振る舞いはどうか…
 
とか、きちんとチェックするの。
 
期間は人によってそれぞれかな。
 

それで、良かったらそのまま結婚式。
 
ダメだったら指輪を返して
 『バイバーイ』よ。(笑)」




バイバーイ、もアリだったんですね(笑)。

彼女は婚約しましたが、
2ヶ月後に再度訪ねてみたら
「あんまり私の親に優しくなかったから、
指輪返したわ。
 バイバーイ、よ」 と笑っていました。

いつか、ママやパパにも優しくて、
あなたに仕事を続けさせてくれる男性がきっと見つかるよ、
ムシーラ。





別の女友達ズィクラヤートは18歳で婚約。

相手はパン屋で働いている20代後半の男性で、
毎日彼が仕事帰りに会いに来ていました。
「大学を出たら結婚するわ」とのこと。

デートと言っても、車の中で少し二人きりになる位。
遠くまで二人でお出かけ、というのはダメなんだそうです。

彼の運転する車を彼女の家の前に停めてもらい、
「マイ、ちょっと先に行っててね」と言ったズィクラヤートは

声色も表情も、
いつもの男勝りな18歳ではなく、
なんだか大人びた女性のようでした。

こうやって、ロマンスを楽しんでいるんだなぁ。
今頃は彼女も結婚の準備をしているかも。






2009年9月、エルサレムで出会ったバッセム。
私達の乗るミニバスを運転していた彼は、
運転中、しょっちゅう甘い声で電話をしていました。



並木:「ひょっとして、彼女~?(ニヤニヤ)」
バッセム:「あぁ、実は婚約したてでね(笑)」



よく見れば、薬指には銀色の指輪。



バッセム:「隣にアラビア語を喋る日本人の女の子がいるよ、
       って言ったら嫉妬してるんだ、あいつ(笑)」



並木:「謝っといてね(笑)。
    今日も仕事帰りに会うの?」


バッセム:「いや、一昨日会った」


並木:「毎日会わないの?」


バッセム:「何ていうか~…
      だって、毎日会ったら、
      こうやって嫉妬してくれなくなるだろ(笑)。
      今がきっと一番いい時期なんだから、

      距離は適度に取るんだよ」





うーん、戦略あり。
とはいえよく道を間違えたバッセム、
きっと今日も適度にボケつつミニバスを運転していることでしょう。






さて、ムシーラの婚約式から写真を。


娘に祝福のキス。


おめかしして踊る女の子たち。




男たちは外でコーヒーを飲む。


音楽を流すDJ役のお兄ちゃん。

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