私が通っていた、西岸のビールゼイト大学。
丘のてっぺんにあるこのキャンパスに集う
各学部の学生たちは、
休み時間ともなると、通路のへりに鈴なりになって座ります。
韓国人や日本人を見るたびに沿道から
「チンチャンチョーン」と言ってからかってくる男が
うざいったらありゃしません。
が、しかし、このアホな彼らが必ずしも学生かといえば
実はそうでもなかったりします。
例えば、私の隣人アシュラフ(当時24歳)。
パレスチナ警察で働いて食いつなぐ高卒のこの男、
たまに用もないのに大学をほっつき歩いています。
アシュラフ:「よーミミ。元気か。勉強はどうだ。
ちゃんとやってるか?」
……余計なお世話です。
ちなみに「ミミ」とは私の愛称らしいです。
アシュラフは友人の男と腕を組んで、
構内を行ったり来たりします。
何分も何分も、
同じところを行っては戻り、戻っては進み。
一体何を考えてそんなことを……。
ま、しょうがないよね。
なんたって、パレスチナだもん。
公務員はもう半年(2006年9月当時)もお給料下りてないし、
仕事はなかなか見つからないもん。
大卒だってコネがなきゃ見つからないんだから。
暇をもてあましちゃうよね。
と思っていましたが、
同じ光景をシリアでも目にした私。
それは2009年春、
ダマスカス空港に朝2時に到着し、
夜が明ける6時までバスを待っていた時のこと。
腕を組んだ20代から40代の男どもが何組か、
だだっぴろい空港のロビーを歩く歩く。
煌々と明かりがついたロビーの中、
何もない空間に向かって二人組で一方向に突進し、くるっとUターン。
また歩いて戻りながら真面目な顔で何か話しこんでいる。
腕を組んだ男がもしょもしょ話してる光景は
何だか深刻な様子に見えますが、
聞こえてくる言葉は
「お前、だから言っただろ。俺はこう言ってやったんだよ、
分かるか? ほら、…」
「あぁ、それは分かってるけど…」
みたいな、
あれこれそれどれを駆使した他愛もない話にも取れます。
でもスーツケースを引くでもない、普段着の男どもが
朝4時に空港を歩き回っているのって変なの。
という訳で、
この無駄に歩き回って話し込む姿は
どのアラブ諸国に行っても見られるものなのか、
ちょっと気になります。
シリアも最近失業率が上がっているそうなので、
無駄に歩き回るのが流行ってるのかしら。
ちなみにシチリア出身の我が相方も
電話をしている時はあっちこっち行ったり来たりします。
シチリアでも、皆ビーチを行ったり来たりするらしい。
地中海性の習慣なのかなぁ。
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