ある夏の金曜日。
とある会合で知り合った
親日家のユヴァル氏(超美形だが残念ながら二児の父)
に誘われました。
ユヴァル:「うちの娘たちと奥さんが海行きたいっていうから、
テルアビブまで迎えにいくよ!
海行こう!」
彼らが住むのは、
西岸とのグリーンラインのすぐ外、カルキリヤの西、
カフル・サヴァ。
そこから車で出てきてくれたユヴァル一家と共に、
一日を過ごしました。
驚いたのは、
テルアビブの繁華街が金・土曜日でもオープンしていること。
ユダヤ教の決まりでは安息日であるにも関わらず、です。
宗教的な匂いのするエルサレムで店を開けようもんなら、
正統派ユダヤ教徒たちに石を投げられること請け合いですもん。
(お陰でハリポタが土曜日に全世界同時発売されても
イスラエルの本屋では売りだせない、
なんて事件が過去にあったなぁ)
まぁそんなわけで、
お陰様で海沿いのレストランでのディナーを楽しんだ我々。
しかし車まで戻ってみると、
辺りは数台の車のアラームで騒々しい。
それを見たユヴァルが一言。
ユヴァル:「またか…」
なみ:「またかって、どういうこと?」
ユヴァル:「いや、テルアビブで車の盗難は日常茶飯事なんだよ。
だから皆セキュリティシステムを付けてるんだ。
あのアラームはシステムの作動音さ」
なみ:「そうなのね」
ユヴァル:「一度盗まれたら最後、二度と戻ってこない。
だって、やつらは西岸に持って行ってしまうからね」
あぁ、つまりそれは、
テルアビブまで出てきたパレスチナ人が車を盗んで、
西岸で売りさばいているってことなのね。
実際にそうなのか、
それともそう思われているだけなのか。
それは、まだ私には分かりません。
2009年12月7日月曜日
お金は大事?
ある日の朝のこと。
エルサレムのホステルからヘブライ大学まで通学途中、
バス停前にある食品雑貨店で、
7シェケルのペットボトルジュースを買おうと思った並木。
(1シェケル=25円くらい)
しかし、並木の手元にあったのは100シェケル札。
並木:「あのう、ちょっと大きいお金になっちゃうんだけど…」
店主のおやじ:「あぁ、いいよ。こうするから」
と言い放ったおやじ、
100シェケル札を……
破いた。
びりっと。真っ二つに。
並木:「………。」
口をあんぐり開けてぽかんとしている並木を見て、
おやじはハッハッハと笑いながら言い放ちました。
おやじ:「まぁまぁ。所詮紙なんだから~。」
そう言いながら、セロハンテープを紙幣にペタリ。
いや、そりゃ紙だけど。
しかし、破るとはいかないまでも、
中東のお金は概して使い込まれたヘロヘロのお札が多いと思う。
まるで布のよう。
そしてメモ書きや千切れがあるのも当たり前。
「おいおい、もっと大事にせいよ」と突っ込みたくなります。
ちなみにこれがエジプトの25ピアストル札。
誰ですか、「100」なんて書きこんだの。
ちなみにパレスチナ自治区で流通しているシェケルは、
イスラエルの通貨です。
でも西岸ではヨルダンのディナールも使えたりします。
以前、西岸はヨルダンの支配下にあったからです。
(だから「ヨルダン川」の「西岸」って呼ぶんだよね)
両替所の人にお金について聞いてみた。
なみ:「シェケルとディナール、どっちがマシ?」
返ってきたのはこんな答え。
「そりゃぁ、シェケルは嫌いさ。イスラエルの金だ。
ディナールも好かないね。
ヨルダンだってイスラエルと似たようなもんさ。
でも、贈答用にはディナールが人気だよ。
アラブだから、まだマシだと思ってるのかな。
最近はドルって手もあるらしいけど、
所詮アメリカの金だからなぁ。」
昔々は、パレスチナのコインなんてものもありました。
写真は、シリアのアンティークショップで見つけたもの。
100年くらい前の品物です。
ちなみに「お金を細かくする」という表現は、
この両替商のお兄ちゃんに教えてもらいました。
なみ:「お金を崩したい時って、qassam(分ける)って言うの?」
両替商:「それは…こうやることさ(ニヤニヤ)」
そう言って彼はお金の真ん中を二つの手でつかんで、
ビリッと切れ目を入れた!!!
またかよ!!!
両替商:「これからは『Sarraf』って言いな(笑)」
…はい。
道端が私の語学学校です。
エルサレムのホステルからヘブライ大学まで通学途中、
バス停前にある食品雑貨店で、
7シェケルのペットボトルジュースを買おうと思った並木。
(1シェケル=25円くらい)
しかし、並木の手元にあったのは100シェケル札。
並木:「あのう、ちょっと大きいお金になっちゃうんだけど…」
店主のおやじ:「あぁ、いいよ。こうするから」
と言い放ったおやじ、
100シェケル札を……
破いた。
びりっと。真っ二つに。
並木:「………。」
口をあんぐり開けてぽかんとしている並木を見て、
おやじはハッハッハと笑いながら言い放ちました。
おやじ:「まぁまぁ。所詮紙なんだから~。」
そう言いながら、セロハンテープを紙幣にペタリ。
いや、そりゃ紙だけど。
しかし、破るとはいかないまでも、
中東のお金は概して使い込まれたヘロヘロのお札が多いと思う。
まるで布のよう。
そしてメモ書きや千切れがあるのも当たり前。
「おいおい、もっと大事にせいよ」と突っ込みたくなります。
ちなみにこれがエジプトの25ピアストル札。
誰ですか、「100」なんて書きこんだの。
ちなみにパレスチナ自治区で流通しているシェケルは、
イスラエルの通貨です。
でも西岸ではヨルダンのディナールも使えたりします。
以前、西岸はヨルダンの支配下にあったからです。
(だから「ヨルダン川」の「西岸」って呼ぶんだよね)
両替所の人にお金について聞いてみた。
なみ:「シェケルとディナール、どっちがマシ?」
返ってきたのはこんな答え。
「そりゃぁ、シェケルは嫌いさ。イスラエルの金だ。
ディナールも好かないね。
ヨルダンだってイスラエルと似たようなもんさ。
でも、贈答用にはディナールが人気だよ。
アラブだから、まだマシだと思ってるのかな。
最近はドルって手もあるらしいけど、
所詮アメリカの金だからなぁ。」
昔々は、パレスチナのコインなんてものもありました。
写真は、シリアのアンティークショップで見つけたもの。
100年くらい前の品物です。
ちなみに「お金を細かくする」という表現は、
この両替商のお兄ちゃんに教えてもらいました。
なみ:「お金を崩したい時って、qassam(分ける)って言うの?」
両替商:「それは…こうやることさ(ニヤニヤ)」
そう言って彼はお金の真ん中を二つの手でつかんで、
ビリッと切れ目を入れた!!!
またかよ!!!
両替商:「これからは『Sarraf』って言いな(笑)」
…はい。
道端が私の語学学校です。
2009年12月4日金曜日
寒いんだぞこらぁっ。
断言します。
西岸地区の冬は、
東京の冬より寒い。
まじ寒です。激寒です。
「パレスチナって、常夏でしょ~★」
という輩は非常に多いのですが、
半袖で冬のパレスチナに放り出してあげたいです。
どのくらいMAXで寒いかと言えばですね、
私は毎晩パジャマを二重に着て、
コートを着て、
毛布を3枚かけ、
羽根布団を2枚かけてもまだガタガタするような寒さです。
ナメてはいかんのです。
その原因は、2つ。
まず、高度の高い立地。
そして、夏の日差しの中でもヒンヤリするようにできている、
つるつるの肌色エルサレム・ストーン製の家。
こいつが底冷えを呼びます。
そして冬といえば雨。
中国製のカサ(シャムスィーエ)なんて役に立たず、
バケツをひっくり返したような勢いで降る雨。
梅雨なんてメじゃない。
家の前の坂は常に小川。ミニ滝。
スニーカーで歩こうもんなら1秒で足が水没です。
「へぇ、雨なんて降るんだ」と思われるでしょうが、
パレスチナでは「雨」と「冬」の結びつきがとても強いのです。
「冬=雨季」というべきか、冬と雨が同じ言葉です。
雨が降っている時、彼らは「世界が冬だね(addoniya toshtee)」と言います。
恵みの雨でもあり、
若者は雨の中、傘もささずにピョンピョンしていたりします。
風邪をひかないのか非常に心配です。
ちなみに、たまに雪も降ります。
その時は大人から子どもまでおおはしゃぎ。
ナーヘル兄(27)はニヤニヤしながら言います。
「雪が降るとよぉ、
みんな雪玉を投げて遊ぶんだ。
そんな時はさ、
ヒジャーブ被った女の子に雪玉をぶつけたって
お咎めナシさ。
こんな出会いもアリだろ?(笑)」
まぁ、
「雪の日に出会った」なんていうのは
ロマンスが好きなパレスチナ人に似合う気がします(笑)。
でも私を標的に雪玉を投げてくる男・子どもらには辟易した、
2006年の冬でありました。
西岸地区の冬は、
東京の冬より寒い。
まじ寒です。激寒です。
「パレスチナって、常夏でしょ~★」
という輩は非常に多いのですが、
半袖で冬のパレスチナに放り出してあげたいです。
どのくらいMAXで寒いかと言えばですね、
私は毎晩パジャマを二重に着て、
コートを着て、
毛布を3枚かけ、
羽根布団を2枚かけてもまだガタガタするような寒さです。
ナメてはいかんのです。
その原因は、2つ。
まず、高度の高い立地。
そして、夏の日差しの中でもヒンヤリするようにできている、
つるつるの肌色エルサレム・ストーン製の家。
こいつが底冷えを呼びます。
そして冬といえば雨。
中国製のカサ(シャムスィーエ)なんて役に立たず、
バケツをひっくり返したような勢いで降る雨。
梅雨なんてメじゃない。
家の前の坂は常に小川。ミニ滝。
スニーカーで歩こうもんなら1秒で足が水没です。
「へぇ、雨なんて降るんだ」と思われるでしょうが、
パレスチナでは「雨」と「冬」の結びつきがとても強いのです。
「冬=雨季」というべきか、冬と雨が同じ言葉です。
雨が降っている時、彼らは「世界が冬だね(addoniya toshtee)」と言います。
恵みの雨でもあり、
若者は雨の中、傘もささずにピョンピョンしていたりします。
風邪をひかないのか非常に心配です。
ちなみに、たまに雪も降ります。
その時は大人から子どもまでおおはしゃぎ。
ナーヘル兄(27)はニヤニヤしながら言います。
「雪が降るとよぉ、
みんな雪玉を投げて遊ぶんだ。
そんな時はさ、
ヒジャーブ被った女の子に雪玉をぶつけたって
お咎めナシさ。
こんな出会いもアリだろ?(笑)」
まぁ、
「雪の日に出会った」なんていうのは
ロマンスが好きなパレスチナ人に似合う気がします(笑)。
でも私を標的に雪玉を投げてくる男・子どもらには辟易した、
2006年の冬でありました。
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