留学期間も半分以上が過ぎた2007年春。
たまたま知り合ったパレスチナ人ジャーナリスト・ムヒーブが
「俺はミシマが好きなんだ、
ミシマの国から来たマイが羨ましい」
と言ったことは、
私にとってかなりの衝撃でした。
何故って、
それまでの8ヶ月間、ある例外を除き、
パレスチナ人の口から
日本の著名人の名を聞いたことが無かったからです。
うわぁ、新鮮。
トヨタやホンダ以外を知っている人がいるなんて。
(ちなみにイスラエルでは村上春樹が有名。
彼の作品が好きな気持ちも分かる気がする。)
唯一の例外、
パレスチナ人が誇らしげに「知ってるよ!」という日本人の名前、
それは、
「クズモト」
????
なみ:「誰よそれ」
彼ら:「君は同胞の名を知らないのか?!
ありえない!」
なみ:「ほんとにそんな名前なの?」
彼ら:「そうとも! ほら、赤軍の、イスラエルに逮捕された…」
..........。
あぁ!
オカモト・コウゾウだ。
かつてイスラエルはテルアビブの空港で
銃を乱射した日本人。
パレスチナ人との連帯の名の下に、
テロを起こした日本人。
彼のおかげかどうかは知らないけれど、
イスラエル当局は今でも、
日本人の「オカモト」さんの入国審査に厳しいとの噂。
そんなオカモト・コウゾウさん、
oとeが上手く発音できないパレスチナ人の間では
「コウゾウ・オカモト」
↓
「クズ・ウカモト」
↓
「クズモト」
と勝手に名前が変わってしまったらしい。
自信満々に「クーズーモートー」と言い放ってくる彼らを見ていると
「誰がそんな名前を…」と切なくなってくる。
何はともあれ、
日本ではすっかり忘れ去られている彼は、
パレスチナ人にとって日本人の代表である模様。
「ブルースリーの国から来たんだよね!」
と言われるのも嫌だけど、
「クズモトの国から来たんだよね!」
と言われるのも微妙。
私としてはぜひ、
ここらで福山雅治あたりに有名になってもらいたいのですが、
どうしたもんかなぁ。
0 件のコメント:
コメントを投稿