2009年12月7日月曜日

お金は大事?

ある日の朝のこと。
エルサレムのホステルからヘブライ大学まで通学途中、
バス停前にある食品雑貨店で、
7シェケルのペットボトルジュースを買おうと思った並木。
(1シェケル=25円くらい)


しかし、並木の手元にあったのは100シェケル札。



並木:「あのう、ちょっと大きいお金になっちゃうんだけど…」

店主のおやじ:「あぁ、いいよ。こうするから」



と言い放ったおやじ、

100シェケル札を……





破いた。

びりっと。真っ二つに。





並木:「………。」



口をあんぐり開けてぽかんとしている並木を見て、
おやじはハッハッハと笑いながら言い放ちました。



おやじ:「まぁまぁ。所詮紙なんだから~。」



そう言いながら、セロハンテープを紙幣にペタリ。
いや、そりゃ紙だけど。







しかし、破るとはいかないまでも、
中東のお金は概して使い込まれたヘロヘロのお札が多いと思う。
まるで布のよう。
そしてメモ書きや千切れがあるのも当たり前。
「おいおい、もっと大事にせいよ」と突っ込みたくなります。

ちなみにこれがエジプトの25ピアストル札。
誰ですか、「100」なんて書きこんだの。



ちなみにパレスチナ自治区で流通しているシェケルは、
イスラエルの通貨です。

でも西岸ではヨルダンのディナールも使えたりします。
以前、西岸はヨルダンの支配下にあったからです。
(だから「ヨルダン川」の「西岸」って呼ぶんだよね)



両替所の人にお金について聞いてみた。



なみ:「シェケルとディナール、どっちがマシ?」



返ってきたのはこんな答え。



「そりゃぁ、シェケルは嫌いさ。イスラエルの金だ。
 ディナールも好かないね。
 ヨルダンだってイスラエルと似たようなもんさ。

 でも、贈答用にはディナールが人気だよ。
 アラブだから、まだマシだと思ってるのかな。
 最近はドルって手もあるらしいけど、
 所詮アメリカの金だからなぁ。」



昔々は、パレスチナのコインなんてものもありました。



写真は、シリアのアンティークショップで見つけたもの。
100年くらい前の品物です。





ちなみに「お金を細かくする」という表現は、
この両替商のお兄ちゃんに教えてもらいました。



なみ:「お金を崩したい時って、qassam(分ける)って言うの?」


両替商:「それは…こうやることさ(ニヤニヤ)」



そう言って彼はお金の真ん中を二つの手でつかんで、


ビリッと切れ目を入れた!!!
またかよ!!!





両替商:「これからは『Sarraf』って言いな(笑)」






…はい。
道端が私の語学学校です。

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