ある日の朝のこと。
エルサレムのホステルからヘブライ大学まで通学途中、
バス停前にある食品雑貨店で、
7シェケルのペットボトルジュースを買おうと思った並木。
(1シェケル=25円くらい)
しかし、並木の手元にあったのは100シェケル札。
並木:「あのう、ちょっと大きいお金になっちゃうんだけど…」
店主のおやじ:「あぁ、いいよ。こうするから」
と言い放ったおやじ、
100シェケル札を……
破いた。
びりっと。真っ二つに。
並木:「………。」
口をあんぐり開けてぽかんとしている並木を見て、
おやじはハッハッハと笑いながら言い放ちました。
おやじ:「まぁまぁ。所詮紙なんだから~。」
そう言いながら、セロハンテープを紙幣にペタリ。
いや、そりゃ紙だけど。
しかし、破るとはいかないまでも、
中東のお金は概して使い込まれたヘロヘロのお札が多いと思う。
まるで布のよう。
そしてメモ書きや千切れがあるのも当たり前。
「おいおい、もっと大事にせいよ」と突っ込みたくなります。
ちなみにこれがエジプトの25ピアストル札。
誰ですか、「100」なんて書きこんだの。
ちなみにパレスチナ自治区で流通しているシェケルは、
イスラエルの通貨です。
でも西岸ではヨルダンのディナールも使えたりします。
以前、西岸はヨルダンの支配下にあったからです。
(だから「ヨルダン川」の「西岸」って呼ぶんだよね)
両替所の人にお金について聞いてみた。
なみ:「シェケルとディナール、どっちがマシ?」
返ってきたのはこんな答え。
「そりゃぁ、シェケルは嫌いさ。イスラエルの金だ。
ディナールも好かないね。
ヨルダンだってイスラエルと似たようなもんさ。
でも、贈答用にはディナールが人気だよ。
アラブだから、まだマシだと思ってるのかな。
最近はドルって手もあるらしいけど、
所詮アメリカの金だからなぁ。」
昔々は、パレスチナのコインなんてものもありました。
写真は、シリアのアンティークショップで見つけたもの。
100年くらい前の品物です。
ちなみに「お金を細かくする」という表現は、
この両替商のお兄ちゃんに教えてもらいました。
なみ:「お金を崩したい時って、qassam(分ける)って言うの?」
両替商:「それは…こうやることさ(ニヤニヤ)」
そう言って彼はお金の真ん中を二つの手でつかんで、
ビリッと切れ目を入れた!!!
またかよ!!!
両替商:「これからは『Sarraf』って言いな(笑)」
…はい。
道端が私の語学学校です。
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